2015/12/18

携帯端末の革命、スマートフォンの革命。
それは同時に歴史が大きく動いた瞬間でした。
その瞬間は初代iPhoneが発表された時。
ご存知の方も多いでしょうか。今でこそ、appleが生産しているiPhoneは日本人の誰もが使用しています。
スポンサーリンク
その割合は携帯端末を使用している日本のユーザーの中の実に6割に上っています。6割ってすごいですよね。日本ではキャリアの販売戦略も後押しして、iPhoneユーザーが非常に多くなっています。
日本でiPhoneが販売されたのは、二代目iPhoneである「iPhone3G」でした。これには、日本の通信規格と初代iPhoneの通信規格が合わなかったために、二代目から販売となりました。
そこから今の6割戸を超えるようなシェアを誇るように成長してきて、今ではあの小さな端末で出来ることが非常に多い為、肌身離せないものになりました。
しかし、その発端は初代iPhone。
今回はそんな初代がなぜ画期的だったのか・・・
今と比べて性能はどうだったのか・・・
そして、裏話などを紹介していきます。
初代iPhone
初代iPhoneが発表されたのは、2007年1月9日に開催された “MacWorld Expo 2007” でした。
当時のappleはコンピュータ機器としてMac、iPodを発表してきたと言う経緯がありました。そうした経緯をappleの創業者であるジョブズは
「2年この日を待った。何年かに一度・・・全部を変えてしまう新しい商品が出現する。それを1度でも世の中に送り出すことが出来れば幸運なんだけどappleは何度かこの好機に恵まれた。」
と表現しています。
iPhoneは何年かに一度全部を変えてしまうような革新的なものだということを確信していたのです。
その革新的な部分と言うと・・・当時からじつは「スマートフォン」と言うものはありました。iPhoneの出現がスマートフォンの始まりだと思いがちですが、そうではないのです。
しかし、当時のスマートフォンは、「ボタン」がありました。その「ボタン」を取っ払った革新的なデザインがiPhone。iPhoneを発表した「MacWorld Expo 2007」でジョブズはこのようにプレゼンしました。
「一般的には、電話とメールとネット、そしてキーボード。しかしこれらはあまりスマートではない。そして使いにくい。(中略)スマートフォンは賢いが、より使いにくい。基本操作を覚えるだけでも大変だ。そんなのはイヤだ。我々が望んでいるのは、どんなケータイより賢く、超カンタンに使える、これがiPhone。
(中略)
われわれは解決しました。20年前に、Macが解決していた。ビットマップ画面にすべてのインターフェースを表示、ポインティング・デバイスとしてマウス。これをモバイル機器に当てはめるなら、ボタンをすべて取っ払い、巨大な画面だけにする。巨大な画面。
どう操作する? マウスは無理だ。スタイラスか? ボツだ。誰が望む? すぐなくしそうだ。スタイラスはやめとこう。みんなが生まれながらに持つ世界最高のデバイス、指だ!」
http://logmi.jp/4152参照
iPhoneの何が革新的だったのか。
それは、ボタンを全て取っ払ったことによるシンプルなデザイン性。そして、それによって必要なアプリに対して必要なボタンのみを画面に表示したということでした。当然それを実現するには、高性能なタッチパネルが必要です。
そして、パソコンで見ることができるようなウェブサイトの閲覧、それと同時に携帯端末で行える地図などの調査性、動画視聴、音楽視聴など、すべてが当時の携帯電話からは大きく逸脱し、携帯できるパソコンのような小型の端末を作り上げることに成功したのです。
こうした技術が組み合わさり、よりスマートに使いやすい携帯端末が誕生したのです。
冷や冷やもののプレゼン
http://www.chrome-life.com/mac/3954/引用元
しかし、上記にも引用したプレゼンですが、実はこの当初はまだ販売するには至っておらず、あくまでも試作用でした。
その試作モデルは、完璧に全ての機能を問題なく操作することができず、例えばメールを送ってネット閲覧は可能ですが、その逆を行うとフリーズしてしまうというような代物だったようです。
その端末を使用しながらプレゼンをするにあたり、何時間も何百回も操作を繰り返して「iPhoneがフリーズせずに操作できる道順を模索して行ったそうです。笑
最先端の技術を搭載した端末を紹介するにあたって、最も原始的な手法でプレゼン方法が検討されたというのは非常に興味深いですね笑
そのため、当日は予備の端末も用意しながら行っていたようです。
しかし、実際のプレゼンはそのような不具合があったことなんて視聴者、観客にはまったく悟られずに堂々としたプレゼンを行っていました。
世界が変わった瞬間とでもいえるような歴史的なプレゼンがこれです。少々長いですが、前半だけでも見る価値があるように思います。
確かに、今のiPhone端末に比べたら通信規格は2Gと遅延のものだし、壁紙を変更することもできない、カット・コピー・貼り付け機能などなく、Siriなんてもってのほか・・・それはそれはお粗末な端末かもしれません。
それで価格は4GBモデルで499米ドル(約52000円)。今では買いません。
しかし、2007年6月29日の発売日には、iPhoneを手に入れようとする人々でAppleストアに長蛇の列ができたのは、想像に易いですね。
iPhone | iPhone6 | |
---|---|---|
iOS | 1.0 | 8.0 |
CPU | ARM 1176JZ(F)-S 412MHz。L2キャッシュ:なし | Apple A8 1.4GHz。L2キャッシュ:1MB。64bit |
メモリ | LPDDR SDRAM 128MB | LPDDR3 SDRAM 1GB |
ストレージ | 4GB, 8GB, 16GB | 16GB, 64GB, 128GB |
ディスプレイ | 3.5インチ(画面縦横比3:2) | 4.7インチ(画面縦横比16:9) |
解像度 | 163ppi | 326ppi |
センサー | 現在位置取得、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー | GPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサー、環境光センサー、3軸ジャイロスコープ、指紋認証(Touch ID)、気圧計、NFC |
カメラ | 背面:200万画素。動画撮影機能:なし 正面:なし |
背面:800万画素。動画撮影:FullHD1080p-30fps/60fpsスローモーション:HD720p-120fps/240fps 正面:120万画素。動画撮影:HD720p-30fps。 |
バッテリー | 1,400mAh | 2,915mAh |
ちなみにiPhone6の参考価格は
16GB 6万7800円
64GB 7万9800円
128GB 8万9800円
であるため、全く技術の進歩と言うのはすごいものです。そして、10万円近くする端末を平然と販売できるブランド力を見事に確立したappleもさすがです。
周囲の反応
この画期的な発明に周囲の反応はどのようなものがあったのでしょうか。我々一般ユーザーとしては
「すげぇぇぇぇぇえぇっぇぇえぇぇ」
という単純なものですが同業者などの技術者はただ単にそんな感嘆の声を上げているだけではすみません。特に同じような携帯端末で勝負しようとしていたGoogleなどの落胆は大きかったでしょう。
Microsoftのスティーブ・バルマーCEO
http://www.cnn.co.jp/tech/35036338.html引用元
「ハハハッ、色んな割引きで安くなっても500ドル(当時のレートで約6万円)もする電話だって!?キーボードが搭載されていないので、ビジネス用途には向かないマシンだろうね。ま、よく売れるんだろうけど、我々には我々の戦略がある」
http://gigazine.net/news/20150206-obama-saw-iphone/参照
非常に強気な発言。いつでも、何にでも自社のペースを乱さないMicrosoftらしい反応ですね。
元Googleのアンディ・ルービン
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/19969引用元
大変だ、ウチの電話が発表できなくなるぞ
Holy crap, I guess we’re not going to launch that phone.「Dogfight: How Apple and Google Went to War and Started a Revolution」より
ルービン氏は、タクシーの中でジョブズのプレゼンを見ていたようですが、わざわざタクシーを止めて最後まで見続けたようです。ルービン氏は「androidの父」としても有名で、ジョブズの革新的な発明・プレゼンで最も落胆した人物の一人かもしれませんね。
バラク・オバマ氏
もし法的に問題ないのであれば、私は可能な限りAppleの株を買い占めたい。この製品はすごいものになる
If it were legal, I would buy a boatload of Apple stock. This thing is going to be really bigデイヴィッド・アクセルロッド著「Believer: My Forty Years in Politics」より
具体的な日時は明かされていませんがiPhone発売の前にジョブズがオバマ氏にiPhoneを紹介したということが語られています。
当時のオバマ氏は大統領選に立候補した時期で、会談終了後には周囲に対して「すごいものになる」打ち明け、上記のような発言に至っています。
確かに、以前から革新的な技術を発信してきたappleであるため、注目はされていたと思いますが、このiPhoneの発表により今ではスマートフォン市場全体の利益の9割程を占めています。株を買い占めていたらすごいことになったでしょう。笑
初代は今となっては高価?
海外の人気オークションサイトebayにて、iPhoneの初期モデルが2個セットで約300万円で出品されていたことがあるそうです。笑
単純いに考えると一つ約150万円。
実際に約113万円で出品されている端末に関しては入札が入ったことがあるようですね。汗
確かにapple社が販売したものはどこかコレクター精神をくすぐられるものがあり、お金があるならば、買いに走ってしまう気持ちはわからなくはないです。
しかし、日本のコレクターの中でもそろえた人がいるようで、価格は送料込みで$192.09だったそうです。上記に比べたら比較的安め。
http://ichitaso.com/iphone/first-iphone/参照
このずらっと並んだ美しさ!
以上がiPhoneが始まった伝説。
日本にも信者とも取れるようなappleユーザーがたくさんいますし、キャリアの販売戦略によって非常に多くの使用者がいます。
高価でもなお使用者を虜にするiPhone。
スポンサーリンク
今後はどのような伝説を作ってくれるのか楽しみですね。